大好きなのは変わらない

 だからずっとそのままで・・・

 
 
 
 

 Secret Garden

 
 
 

 愛すべきマネージャーの過去。

 意外な人物から暴かれたのは、これまた意外なコト。

 
 

「いや、迷子になることはないだろうさ」

 レギュラー達の心配をよそに、竜崎はケロリと答える。

「なんでッスか?」

 心底不思議そうに、越前が竜崎に聞き返した。

「ん?あの子は元々氷帝にいたんだからね

 

・・・・・・・・・・は?・・・・・・・・・・

 

「ホントですかッ?!」(注:あまりに大声のためカッコ略/笑)

 
 
 

 いきなりレギュラー全員が大声をあげたせいで、竜崎はしかめっ面になる。

「あーっもう!うるさいね。なんでこんなコトでアタシが嘘をつかにゃならんのだ!」

 ごもっともです。

 だがしかし、それだと食い違うコトがでてきてしまうわけで・・・

「でもでも〜!ちゃん、横浜にある公立から来たって言ったんですよ?ね、不二」

「僕も英二と一緒にいたときに、そう聞いたんですけど・・・」

 そうなのだ。間違い無く、本人がそう言ったわけだし。

「あぁ、それも確かだがね。しかし、横浜にいたのは1ヶ月もないだろうさ」 

「横浜の中学に行く前、氷帝に通っていたということなんですか?」

 大石が尋ねると、竜崎は軽く頷いた。

「そういうことだ」

「ということは、青学は3つ目の中学校か。元々、転校とか多かったんですか?」

 突然の出来事でも、当然乾は情報収集に徹する。

「いや。あの子は幼等部からエスカレーター式に中等部まで上がってる、生粋の氷帝生だからね」

「マジっすか?!あそこの幼等部の入試って超難関で有名じゃないっすか」

 っていうか、どこから入学するにしても氷帝は超難関で有名だけど。

「おや桃城。あの子の成績を知らないのかい?同じ学年だろ?」

「知らないっすよ。・・・おい、マムシは知ってんのか?」

「ふしゅ〜。ケンカ売ってんのか?」

「うるさいよ、二人とも。それで?海堂。知ってるの?知らないの?」

 ニッコリと不二に微笑まれれば、海堂にケンカを続けるという選択肢はない。

 何故なら、背後に立ち上るオーラが恐ろしすぎるのだ。

「いえ・・・知らないっす」

「あっそ。それで、先生。要は、氷帝に幼等部から通っているってことは、成績が良いってコトですか?」

「ま、そういうことになるだろうね」

さんってどれくらい成績良いんだろう・・・」

 河村がそう呟く。

 確かに・・・成績がよいって言っても、やっぱり他校。

 比べる基準がいまいち謎だ。

「それは教師であるアタシが言うコトじゃないしね。ま、もうすぐ期末テストだ。その時になれば判るだろうさ」

「それよりも、何で先輩は横浜の中学に1ヶ月くらいしかいなかったんすか?」

 成績なんかより、むしろそっちのほうが気になるんすけど。

 ってか、私立からその公立に転校した理由と、公立から青学に来た理由の方も気になるんすけど。

「それはだね・・・ま、家庭の事情ってヤツさね」

「どういう・・・」

 更に問いかけようとした越前の言葉を、それまで黙っていた手塚が遮った。

「越前、それに皆も。これ以上の詮索はに悪いと思うが?それに、竜崎先生もお困りになるだろう。

もしも知りたければ直接本人に聞くか、から話してくれるのを待つんだな」

 誰にでも、知られたくないことぐらいあるはずなのだから。

 それを本人の知らないところで暴くのは気が引ける。

 自身が、別に隠しているつもりじゃないにしても、だ。

「手塚の言う通りだ。・・・っと、アタシとしたことが上手くお前さん達に乗せられたね。さ、お喋りはここまでだよ。

部活はとっくに始まってるんだ、さっさとコートに行かんかッ!!」

 
 
 

 全員竜崎に部室から放り出されて、遅刻の罰としてグランウンドを20周走らされた。

 そしてようやく開始したレギュラーの練習メニューを、いつも以上のスピードでこなしていく。

 予定より遅くなったけれども、なんとか予定通りに今日のメニューはこなせそうだ。

 今は練習メニューの後半のほうに組みこまれている、ダブルスの試合形式が行われていた。

 ちなみに、只今対戦しているのは海堂・桃城ペアVS不二・河村ペア。

「まさかちゃんが、生粋の氷帝生だったとは驚きだにゃ〜☆」

 コートの外で試合の順番を待つ菊丸がポツリと呟く。

 隣にいた大石は「そうだね」と頷いた。

「でも、幼等部から通っている場所なら、迷子になることはないだろうし、とりあえず安心だな」

 安心したような大石に、冷水を浴びせるかの不気味発言が降りかかる。

「迷子は心配じゃなくても、違う心配がある。しかも、こちらのほうが問題だ」

「なんすか?その心配って」

 乾の「問題」発言に、越前も話しに加わる。

「つまり、だ。氷帝学園には誰がいると思う?」

「?意味わかんないっすケド」

 首を傾げる越前。

 菊丸と大石はシンキング・タイム(笑)

 氷帝学園に誰がいるか・・・?

 俺達が、氷帝と言って思い出す人物・・・・・・?

 ・・・・・・あ!

 

「「跡部ッ!!」」

 

「正解」

「誰なんすか?ソレ」

「そうか、越前は知らないか。跡部は氷帝学園のテニス部部長だよ」

「んで、その跡部とかいう人が問題なんすか?」

 

「「「大問題だ」」」

 

「何がッすか?」

 そんなに大声で言うコトなんすか?

「問題だよ〜?!だって、跡部って言えば天性の女ったらしだしぃ。可愛い子には見境無いって言うし」

「あまり言い方良くないけど、結構遊んでるって噂もあるよ。あ、まぁ・・・噂だけど」

「実際、女性と付き合う周期は凄く短いみたいだな。そして、振った女性の数が半端じゃないのも事実だ」

 さすが乾。他校と言えど情報収集に抜かりは無い(多分)

「ってことはにゃ?考えたくも無いけど、今ごろ跡部にちょっかい出されてるってコトもあり・・・う―――;」

 途絶え途絶えになる菊丸の言葉。

 理由は明白。

「何か寝言でも言った?英二」

 菊丸の前には薄っすらと開眼している不二。

 背後に背負う暗黒オーラとその氷の視線で、間違いなく殺人が可能だろう。

(殺されるにゃ〜〜〜〜〜;)

「大石。次、君達の番だよ」

「あ、あぁ。ありがとう、不二;」

 にこりと微笑む不二に引きつった笑顔で答えながら、大石は凍りついた菊丸を引きずってコートに入った。

 入れ替わりに、河村も乾達の方に寄ってくる。

 話題がのことであれば、参加しないまでも聞きたいのは当然。

「で?要はその跡部ってヤツと先輩が接触しなきゃいいだけの話しっすよね?」

 不二と大石達の行動を、きれいさっぱりシカトして越前が乾を見上げる。

「そうなんだが・・・それは不可能に近いだろうな。何せヤツは部長だ。もちろんテニスコートにいるだろうし」

 そして、我等がマネージャーが行くべき場所もテニスコートの可能性が高い。

「跡部に会う確率のほうが、高いってこと・・・だね」

「そういうことだ」

 不二の言葉に、乾が頷く。

 途中参加の不二が、話しを把握しているのはさすが魔・・・天才(笑)

 だがしかし、いくら不二とて跡部とを会わせない方法は思いつかない。

「大問題っすね・・・」

「あぁ。一緒にいれば助けてやることも可能だがな」

 がいるのは氷帝、そして自分達は青学のテニスコート。

 あまりにも物理的距離が遠すぎるのだ。

「竜崎先生が彼女1人で、行かせなければ問題無かったんだけどね・・・」

 不二が溜め息をつくと、乾・越前・河村が大きく頷く。

 ((((っていうか、むしろ何で1人で行かせたんですか!!))))

 そう。例えば誰かレギュラーの1人でもお供に?つけてくれれば良かったのだ。

 まぁ、その1人が誰かはこの際置いておくとして。

 無論、その1人が自分であれば至福だが、例えそうじゃなくても今回は多めに見てもいい気分だ。

 少なくとも、跡部との接触は回避するように仕組めるのだから(笑)

 
 
 

 一方、青学で噂の(笑)跡部景吾(+レギュラー陣)はというと。。。

 

「そういや、。何しに来たんだよ?」

「あ、そうそう。私、職員室に行く途中だったんだ」

「「「「「「「「何しに?」」」」」」」」

 全員が怪訝そうに首を傾げる。

 自分(達)に会いに来たのであれば、もう用事は終了したも同然。

 その他に、氷帝に来るような用事がにあるだろうか?

「ん?部活での書類を榊のおじ様にお渡しするように、顧問の先生に頼まれたの♪」

 榊のおじ様とは、もちろん榊太郎43歳、テニス部顧問でただの音楽教師(笑)である彼のことだ。

「顧問?監督に・・・ってことは、まさか青学でテニス部やったりするんか?」

「侑士君、大正解。あ、もちろんプレーヤーじゃないよ?」

「そりゃ・・・そう、やろうな」

 当然、そんなのは分かりきっている。

 一瞬流れる微妙な空気は、瞬時に打ち破られた。

。監督は、もうコートにいるぜ」

 跡部はそう言って、「ほら」とエスコートするように左腕を差し出す。

「ホント?良かった。流石に校内には入りたくなかったんだ」

 差し出された腕に右腕を絡め、は微笑んで跡部と並んで歩き出した。

 本来なら跡部との間に割って入るところなのだが・・・・・・

 今だけは見逃してやろうと、レギュラー全員が思っていた。

 

 あのまま、微妙な空気が流れていたら、の笑顔は、間違い無く曇ってしまっただろうから―――

 
 
 
 

「遅いぞ、お前達」

 ランニングからやっと戻ってきたレギュラー陣を見つけ、榊は眉間に皺を寄せる。

「すみません。あ、監督。青学から書類を届けに来てくれた方をお連れしました」

 榊の元に走り寄って謝罪した鳳の背後には、談笑しながら歩いてくるレギュラー陣が見えた。

 そして跡部の隣には、氷帝の制服を着用していない女子が1人。

 少女は榊と目があうと、ニコリと嬉しそうに微笑む。

「榊のおじ様!」

?」

 歩み寄るに、さすがの榊も驚きを隠せないようだった。

ちゃん、青学に転校してたみたいですよ?」

「なるほど・・・」

 鳳が榊にそう告げるうちに、レギュラー陣とが榊の前に集合する。

「おじ様、お久しぶりです♪」

「あぁ、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

「はい、おかげさまで」

 ニコニコと微笑むに優しい視線を向けた後、榊はレギュラー陣に視線を移した。

「とりあえず、を案内してきたということで遅くなったペナルティーは免除・・・と言いたい所だが、

ならば案内は必要無かったはずだ。よってレギュラー陣はランニングのやり直しだ」

 元より、ペナルティーは覚悟の上だった。

 レギュラー陣が「ハイ」と返事をしようとした瞬間、が口を開いた。

「おじ様。景吾君達のおかげで校舎内に行かずに済んだんです。ですから、ペナルティーは軽くして頂けませんか?」

 本当はペナルティーは無くして欲しいのだけど。

 それでは他の部員に示しがつかないことを、は経験上知っている。

「・・・ならば、ランニングは免除。そのかわりレギュラー陣のみ、休憩時間に筋トレメニューを行うように」

「「「「「「「「ハイッ」」」」」」」」

 ランニングより遥かに楽なペナルティーだ。

 相変わらずのお願い事に弱い榊に、レギュッラー陣に限らず近くにいた部員達も内心苦笑する。

「ありがとうございます、おじ様」 

「構わん。では、お前達は練習を開始しろ。行ってよし!」

 氷帝名物のポーズに促され、跡部達はコートに入った。

 そんな様子を見ながら、はフフッ微笑む。

「どうかしたか?」

「懐かしいなと思って・・・。あ、そうだ。顧問の竜崎先生から書類を預かってきました」

 「はい、どーぞ」と差し出された茶封筒を、榊は「あぁ、わざわざすまなかったな」と受け取る。

「いえ。思いがけず氷帝にこれて、私的に嬉しかったです。それに、これもマネージャーのお仕事ですからね」

「青学で、マネージャーをしているのか?」

「あ・・・はい」

 エヘヘとは苦笑した。

「・・・そうか」

 一言そう呟くと、榊はの頭を軽く撫でる。

「時間のあるときは、たまに顔を見せにくると良い。ならば、全員歓迎する。無論、私もだ」

 一瞬驚いたようにキョトンとしただが、すぐ心底嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「ありがとうございます、おじ様」

 
 
 
 

〜 to be continued later 〜

− next −

 

反省文。

ってか、後編じゃないし(苦笑)予定以上に長いので一度切りました。
もう、書いててワケが分からなくなってきました。青学と氷帝での時間の流れが。。。難しいデス。
しっかし、太郎ちゃんを「おじ様」呼ばわりしてしまう主人公は有る意味強いですね・・・
はてさて、青学レギュラー陣は愛しのマネージャーと本日中に会えるんでしょうか(爆)

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