戻れない場所がある

だからこそ、護りたい場所がある

 
 
 
 

 Secret Garden

 
 
 

 乾・越前・不二の3人が跡部とが接触しない方法を考えるため、無駄に(笑)頭を使っている最中・・・

 黙っていた河村が不意に口を開いた。

「そういえば、さんは生粋の氷帝生なんだよね・・・?」

「あぁ。それがどうかしたのか?タカさん」

 発言の意図が分からず、乾達は視線を河村に向ける。

「じゃあ、跡部と知り合いってコトもありえるんじゃないかな・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「あ、俺の考え過ぎだよね」

 目が点になった3人に気付かず、河村はアハハと笑う。

「へぇ・・・これは予想外だな。珍しく鋭いね、タカさん」

「は?」

「河村先輩、乾先輩の上を行ってるっすよ」

「??」

「もっと早くに気付くべきだったね」

 くすっと不二が笑う。

「えーっと、ちょっと思っただけなんだけどね;」

 バカにされてるのか感心されてるのか、はたまた脅されてるのか(笑)

 とりあえず河村は苦笑するしかできなかった。

「もしも、と跡部が知り合いだった場合―――」

 乾のその言葉に、全員がと跡部の行動についてシュミレートをし始めた。

 彼女の魅力に、跡部が気付いていないとは到底思えない。

 そして、可愛い女の子に目がない跡部が黙っているとも思えない。

 更には、超ド級の鈍すぎる天然少女が、跡部の下心?に気付くとも思えない。

 

((((危険だ;))))

 

 全員同じ結果をはじき出した瞬間、真っ先に不二が行動を起こした。

「手塚!僕、これから病院行きたいから早退するね」

 ニッコリと微笑む不二に、試合の審判をしていた手塚は怪訝そうな視線を向ける。

「どうかしたのか?」

「今、すっごい手が痛いんだよね♪」

「・・・その笑顔で、何処が痛そうなんだ?」

 せめて痛そうな表情ぐらいしてくれ。

 手塚が大きくため息をつく。

「部長。カルピンがいなくなりそうなんで、帰っていいっすか?」

「あ、手塚。えーーっと、そう!今日、店の準備が大変で、早く帰って来いって言われてたの忘れててさ・・・」

「手塚。試作段階のスーパーロイヤル乾汁の材料を買いに行きたいんだが、帰っても構わないかい?」

「お前等・・・・・・」

 言い募る4人の言葉に、手塚の眉間の皺が深くなった。

「部活を何だと思っている。4人ともグラウンド10周だ」

 

「「「「手塚(部長)!そんなことしてる暇ないんだよ(っすよ)。

さん(先輩)の危機なんだからっ!」」」」

 

「なんすか?の危機って・・・」

 の危機」というセリフに、試合中にも関わらず桃城が手塚達のところに近寄る。

「もーもーー!今は試合中だぞ〜?」

 桃城が抜けて、がら空きになったスペースに菊丸がボレーを決めた。

「おい・・・。テメーのせいで負けたらどうしてくれんだよ?」

 海堂が桃城に詰め寄る。

 当然のように最下位のペアにはペナルティーが待っているのだ。

「あ?それどこじゃねぇんだよ。の危機だぜ?!おめぇは心配じゃねぇのかよ?」

 練習をそれどこ扱いした桃城に手塚の眉間のしわが、更に深くなる。

「心配じゃないわけじゃねぇが、今は練習中だ」

「桃、海堂。戻ってくれないとサーブが打てないんだけど・・・」

 困ったようにサービスラインに立っていた大石も手塚達の側に歩み寄ってきた。

 その背後には、当然のように菊丸もついてくる。

 の危機が何なのか少しは察しているこの2人が、気にならないわけがないのだ。

 あっという間に手塚の周りに、レギュラー陣の円陣ができる(笑)

 端から見れば、作戦会議でもしているように見えなくも無い。

 まぁ、話している内容は作戦会議とは程遠いが・・・・・・

 
 

「では聞くが、の危機とは一体何だ・・・?」

 こめかみに手を当てて、手塚はいつもより3倍くらい不機嫌そうだ。

「だって、氷帝にはあの跡部がいるんだよ?心配じゃないの?手塚は・・・」

「不二、どういう心配だ・・・。大体、が9年間もいた場所に行っただけだろうが。しかも、部の仕事として」

 遊びに行ったとしても、それは自分達がどうこう言うコトではないのだが。

 部活中に遊びに行くならば話しは別なのだが、今現在が氷帝に行っているのは、部の仕事なのだから。

「だけど〜!だってだってアノ跡部だよ?!手が早いので有名な!

 ・・・・・・・・・・。

 手塚、少々心が揺らぐ(笑)

 だがしかし、ここであっさり折れては、まるでを信用していないみたいで嫌だった。

 無論、手塚とて氷帝に跡部がいるのは知っていたし、そこにを1人で行かせることなどして欲しくは無かった。

 世間話に疎い手塚でさえ、跡部のよからぬ噂は知っているのだ。

 けれど、彼女は「仕事」として行ったのだから、下手に心配するのは間違っているような気がした。

「部長は先輩が心配じゃないんすか?」

「そうっすよ!」

 越前と桃城に詰め寄られて、手塚は小さく溜め息をつく。

「心配していないとは言っていない。だが、俺達が行く必要があるとは思えないだけだ」

「「何でっすか?」」

 大いに不満そうに、桃城と越前が問い返す。

 心配な気持ちが、手塚とて分からないわけではないのだが。。。

「ちょっとカッコつけすぎだよね、手塚は」

 なんとなく察した不二がクスリと笑った。

「・・・・・・」

「君のことだから、仕事として氷帝に行ったさんのことを心配して、僕達が迎えにでもいこうものなら、

さん自身が負担に思うんじゃないかって思ってるんだよね?」

「何で?何で??」

 菊丸が首を傾げる。

さん、僕達に迷惑を掛けないようにっていつも言ってるよね?」

 そう、そんな彼女のことだから。

 彼女を心配して迎えに来た自分達に対して、まず思うのは罪悪感。

 練習をサボらせてしまったことに対して、そして、氷帝まで来てもらったことに対して・・・

「・・・ってことは?俺らがどんなに心配でも、迎えには行かないほうが良いってことっすか?」

「そう思ってるんだよ、手塚は」

 ニッコリと微笑んだ不二に、河村がフト気付いたように口を開いた。

「手塚は・・・ってコトは、不二は違うんだね?」

「僕?違うから、今ここで手塚に手が痛いから早退させてってお願いしてるんだけどね」

「だろうな」

 手塚の考えが分かっていても、それでも行きたいという不二。

 不二が考えてるのは、この状況での練習が無意味だと言いたいのだ。

 皆、もちろん自分も含めて、なんだかんだ言って練習に集中できていない。

 だから自分達の為に、を迎えに行くのだと、決しての為ではないのだと・・・

 多分、それでもは迷惑を掛けてしまったと思うのだろうが。

 そこはなんとか、上手に誤魔化すつもりなのだろう。

 眉間の皺はそのままに、手塚が軽く不二を見る。

 ニコニコ微笑んでいる不二に、大きく溜め息をついて呟いた。

 

「・・・明日、グラウンド50周だ」

 

「ありがとう」

 そう言って、不二は部室に向かって走っていく。

 そして手塚は、無言のままスタスタと竜崎のほうに歩いていってしまった。

「「「「「「??」」」」」」

 首を傾げるレギュラー陣。

「・・・なるほどね、そういうことか」

 乾が何か分かったのか苦笑する。

「「「「「「何が(っすか)?!」」」」」」

「簡単に言うなら、迎えに行っても良いってコトだよ」

「「「「「「マジ(っすか)?!」」」」」」

「ただし、行くなら明日グラウンド50周しろってこと」

「「「「「「え;」」」」」」

「それで良いなら、行って来いってことだと思うよ」

「「「「「「・・・・・・行く!」」」」」」

 そう言うが早いか、全員猛ダッシュで部室に走っていった。

 何もこんなにシンクロしなくていいだろう。。。と思わずツッコミをいれたくなるシンクロ現象。 

 ここまでくると、神業的な確率だ(笑)

 良いデータがとれたな・・・と乾は満足げに部室へと向かった。

 
 
 
 

「・・・では、おじ様。私、そろそろ帰りますね♪」

 休憩時間になり、ペナルティーとしての筋トレを氷帝レギュラー陣が始めてすぐに、は榊の隣から立ちあがった。

「そうか。帰る、か」

「はい。あ、おじ様からのご伝言は、ちゃんと竜崎先生にお伝えします」

「あぁ、頼んだ。では、気をつけて・・・行って良し」

 何故か部員にするように、榊はにビシッとポーズまで決める。

「ありがとうございました」

 ニッコリと微笑んでペコリと榊にお辞儀をすると、は筋トレをするレギュラー陣に視線を向けた。

 帰るであろうを気にはしているものの、ペナルティーの最中なだけに、さすがに声を掛けることは誰も出来ずにいた。

 当のがソレを狙っていたのを、長年の付き合いでレギュラー陣は把握しているのだが。

「皆、頑張ってね♪」

 小さく手を振るに、全員が軽く手を上げてこたえる。

 その返事を受け取ってから、は足早に歩き出した。

 
 
 
 

筋トレを終わらせて、氷帝レギュラー陣はいつもより短い休憩時間に入る。

「帰るって、ちゃん言いましたね」

 ポツリと鳳が呟いた。

「そうだな・・・」

 宍戸が頷く。

「監督も気付いとったみたいやんな?」

 ドリンクボトルを取りながら、忍足も頷いた。

「復唱してましたしね、監督」

「だよな」

 日吉の言葉に、向日がうんうんと同意する。

「・・・羨まCかな☆」

 珍しく覚醒していた芥川の一言に、誰も「何が?」とは問わなかった。

 本来ならば、ココのはずだった。

 そう、ずっと信じて疑わなかった、そして実際にそうだった時が確かに在ったのだ。

「帰る場所は―――」

 跡部の呟きに、榊の集合の声が重なって、ソレは誰にも聞き取ることは出来なかった。

 
 

「―――、戻れない場所のことじゃねぇだろ」 

 
 
 
 

〜 to be continued later 〜

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反省文。

うわ・・・長いし(死)ありえないぐらい続いてますよ、コレ。まじでヘタレ文だ;;
しかも、話しの内容がどんどん微妙に暗くなってきましたしねぇ。。。何故でしょう?(ぇ)
多分、次でラスト!ってか、微妙にオマケなカンジになりそうなんですが、もう少しだけ続けます(笑)
ここで終わってもあんまり問題無いんですが、やっぱり対面させてあげたいので・・・
さて、一体どうやって話しの収拾つけるやら。。。乞う、ご期待。。。カナ?

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