2度と帰ることの無い

 そこは秘密の場所・・・

 
 
 
 

 Secret Garden

 
 
 

「「「「「「「「「えッ?!」」」」」」」」」

 
 

 顧問の竜崎のセリフへの返答が、コレ。

 まぁ、それも当然と言うべきか。

 さかのぼること20分前―――

 
 
 
 

「遅いにゃ〜、ちゃん」

 部室でつまらなさそうにぼやいたのは、もちろん菊丸。

 他の皆も声には出さないが、愛しのマネージャーが来るのを待ちわびていた。

 着替えも終わっているくせに、レギュラー陣は誰一人としてコートに向かおうとしない。

「桃、海堂。2年5組のHRは長引いていたみたいだった?」

 同じ学年なら何かわかるかと予想しての不二の質問だ。

「いや、俺のクラスが終わった時には終わってたと思いますよ」

「5組が先に終わってました」

 となると、とっくに部室に姿を現していても良い頃なのだが。

「じゃあ、桃や海堂より先に来ていてもおかしくないさんが来てないっていうことは・・・・・・」

 大石の言葉をつづけたのは河村。

「どこかに寄ってるんじゃないのかな?」

 なるほど。

 そういうこともあるかもしれない。

 一瞬納得しかけた部室内の空気を壊したのはルーキー越前。

 
 

「でも、どこにっすか?」

 
 

 それは確かに。

 部活に入部して以来、が遅刻する際には必ず誰かに伝言を頼んでいる。

 主に、桃城・海堂などの2年生がその役を獲得していた。

 しかし、今日は誰もから伝言を貰っていない。

 もし、今日も遅刻ということであれば、誰かに何かしらの伝言があるはずなのだが・・・

「朝練のとき、は何も言っていなかったな。行事運営委員会の会議も今日は無いはずだし。

4日前に借りていた図書室の本は、確か昨日返却していたよな」

 乾がどこで調べてくるやら素晴らしいデータで、の行動分析を始めた。

「あ、昼休みに購買行く時会ったんすけど、その時もなんも言ってなかったすよ」

 これはもちろん、桃城からのデータ提供だ。

 無論、昼休みに偶然と会っていたとは・・・と桃城に向かって恨みの視線が飛んだ。

 あまりの視線に冷や汗をかいている桃城を無視して、乾は次の獲物に問い掛けた。

「海堂。確か今日の5時間目は5組と合同体育じゃなかったのか?」

「っしゅ〜。そうっす」

 なんでそんな事まで知っているんだ?と思ったが、海堂は無表情で答える。

 桃城に向かっていた恨みの視線が、今は海堂に突き刺さっていた。

 合同クラスを決めるのは学校であって、まして学年が違うのなんかどうしようもない。

 理屈では分かってはいるものの、やっぱり理屈と心は別。

 納得できないものは出来ない・・・お年頃

「その時、は何か言っていたか?」

「・・・・・・別に」

 何かというか、部活に遅れるかもなどの伝言を海堂は間違い無く貰っていない。

 まぁ、が海堂に言ったといえば「海堂くん、さっきのシュートカッコ良かったよ♪」という言葉くらいだが、

この場で言うようなことはさすがにしない。

 そんなコトを言ったが最後。

 自分が生きて部室から出られるか謎である。

「では、5時間目が終わるまで、は普段通り部活に来る予定だったということか」

「じゃあじゃあ、問題は6時間目以降ってーこと?」

 菊丸が首を傾げると、乾は軽く頷く。

「そうなるみたいだ。確か今日の6時間目は・・・・・・」

 

「「数学」」

 

 乾と桃城の声が重なった。

「数学?もしかして担当って―――」

 不二が言葉を続けようとした瞬間、部室の扉が勢い良く開いた。

 
 

「こらー!!お前達っ!何やってるんだい!とっくに部活は始まってるんだよ!」

 
 

 まさに素晴らしきタイミングで、テニス部顧問である数学教師の竜崎が現れる。

「す、すみません。竜崎先生」

 大石と河村があたふたと謝る中で、今まで黙って事の成り行きを見守っていた手塚が、初めて口を開いた。

「先生。がまだ来ていないようですが・・・・・・」

 練習メニューを開いて聞いていないようで、実はしっかり聞いている。

 無関心を装っても、やっぱり手塚もが遅い理由が気になって仕方なかったのだ。

「ん?あぁ、言い忘れてた。あの子は休みだよ、アタシが頼み事をしたからね」

「頼み事・・・ですか?」

「あぁ、ちょいと氷帝まで行ってもらったんだ」

 なんでもないことのようにサラリと言った竜崎の言葉に、一瞬目が点になるレギュラー陣。

 
 
 

「「「「「「「「「えッ?!」」」」」」」」」

 
 
 

 ―――と、先ほどの反応になるわけで。

 
 
 

「え〜〜〜〜〜!!じゃあ、今日ちゃんと会えないの〜?」

 今にも泣き出しそうな顔で竜崎に詰め寄る菊丸を、不二がさらりと押しのける。

 確かに会えないのも問題だけれども、それより何より問題なのが―――

「竜崎先生、さんを1人で行かせたんですか?」

「あぁ、もちろん」

「しかし、先生。彼女は方向感覚が良いとは決して言えないと思うんですが・・・。なのに、

1人で氷帝に行かせてしまって大丈夫なんでしょうか?あそこの敷地は半端じゃなく広大ですし。

1人だと迷子になる可能性が高いんじゃないでしょうか」

 ある意味に対して失礼なことを言いきった乾。

 だが、それは間違い無く正解である。

 なにせは、初めての場所では信じられないほどの方向音痴・・・

 一度でも行ったことのある場所なら、多少はマシなのだが。

 転校初日の前日、事務室に1人で辿りつけたのはまさに奇跡なんです、と笑っていた彼女。

 そんなが1人で氷帝に行ったとなると・・・迷子になっていないかのほうが心配なのだ。

「いや、迷子になることはないだろう」

 レギュラー達の心配をよそに、竜崎はケロリと答える。

「なんでッスか?」

 越前の疑問に答えた竜崎の言葉によって、部室内は完璧に凍りついた。

 
 
 
 

「「「「「「「「「ホントですかッ?!」」」」」」」」」

 
 
 
 
 
 

 青学男子テニス部の部室内で、素晴らしいシンクロ現象が起きている頃・・・・・・

 問題の青学男子テニス部マネージャー・はというと、無事に氷帝学園に到着していた。

「大きいや・・・」

 ほえほえとは、氷帝の正門を見上げる。

「っと、見とれてる場合じゃないんだった」

 本来の仕事を思い出して、は氷帝の敷地内に足を踏み入れた。

 下校時間が少し過ぎたとはいえ、多数の氷帝生徒がいるなかで、1人だけ他校生の

 これが目立たないわけも無い。

 目ざとくを見つけて駆け寄る氷帝生が1人・・・いや、2人。

ッ!」

「はい?」

 声につられてが横を向くと、そこにはジャージ姿の美形な氷帝生・・・と、同じくジャージ姿の巨体の氷帝生。

「あ!景吾君とヒロ君、おひさだ〜♪」

 笑顔でヒラヒラと手を振るに2人は近づく。

「バーカ。おひさじゃねえだろ?ったく、青学なんかに行きやがって・・・。なぁ、樺地」

「ウス」

 跡部に同意を求められ樺地は頷く。

「エヘヘ、ヒロ君にも言われちゃった」

 一応説明するならば、の言う『景吾君』とは氷帝学園男子テニス部200人の頂点に立つ部長、跡部景吾のことであり、

『ヒロ君』とは樺地崇弘のことである。更に言うなら、は樺地と会話可能だ(笑)

 

「あ〜〜〜〜〜〜〜!!!!侑士、大事件!がいるっ!マジで!!」

 

 大声で後ろに叫んで、ピョンっとの側に飛んできたのは・・・

「岳ちゃん、声大きいよ」

 苦笑するに、ヘヘと笑うのは向日岳人。

なに〜?!あ、ホンマやん。おひさしやんな」

「侑士君、おひさ♪」

 足早に近寄ってきた忍足侑士にも、笑顔で挨拶する

「あぁ!!宍戸先輩、ホントにちゃんいますよ!早く行きましょうよ」

「あ?うっせえよ。そんなの見りゃわかんだよ、長太郎・・・ていうか、自分で歩きやがれ、慈郎!」

 嬉しそうにに走り寄る鳳長太郎、その後ろから現れた宍戸亮の背中には、何故か?芥川慈郎がへばりつき・・・

ちゃん、こんにちは!」

「チョタ君、元気良いね♪亮君、慈郎ちゃん、重くない?大丈夫?」

 ちょっと心配そうにが宍戸に近づくと、慈郎の目が開いた。

「あ〜ちゃんだ〜!!おはよ♪」

 ひょいっと芥川は宍戸の背中から飛び降りて、にニッコリと笑顔を向ける。

((((((チッ・・・現金なヤツ))))))

 氷帝レギュラー陣が思ったことなど気付きもせずに、はニコニコ笑顔で宍戸に話しかける。

「ホント、亮君って優しいよね」

「んなんじゃねーよ」

 照れ隠しにぶっきらぼうに言い放つ宍戸に、フフっとは微笑む。

 瞬間的に宍戸に向けられるのは、殺気に満ちた視線、視線視線―――

 周辺空気の温度は間違い無く急降下。

 もちろん当のは、そんなコトに気付くわけもない。

 キョロキョロと視線を動かして首を小さく傾げる。

「アレ?萩ちゃんは?それに、ひよちゃんは?」

「あ?滝は今日は委員会だったよな」

 跡部の言葉に全員が頷く。

「日吉はさっきまでおったよな?」

 忍足が言った瞬間、の背後に現れたのは渦中の人物、日吉若。

「こんなとこで何して・・・」

「ひゃっ!」

 急に現れた日吉に驚いて、は思わず声をあげて目の前にいた芥川に抱きつく形となる。

 役得・・・とばかりに、芥川がを抱き締めようと腕をまわしかけた瞬間。

 
 

「「「「慈郎ッ!!」」」」

「「「芥川先輩ッ!!」」」

 
 

 あっという間に樺地の肩に担がれてしまう。

「降ろせ〜!」

 もちろん、誰も助けようと思わない。

 はちょっと心配そうに芥川を見上げるが、言うセリフは全くもって的外れである。

「ヒロ君、慈郎ちゃん落さないでね?」

「ウッス」

 落そうかと思っていたかは謎だが、樺地は頷いた。

 跡部か他の上級生が「落せ」と言ったら、間違い無く落しただろうが。

「あ、さん。すみません・・・」

 ペコリと謝る日吉に、はニコっと笑う。

「ううん、気にしないで。久々にひよちゃんと会うから、気配消してるの分からなかっただけだから」

 感覚鈍くなっちゃった♪と笑うに、もちろん全員のハートは鷲掴み・・・

 いや、とっくのとうに鷲掴みにされているのだけれど。

 
 
 
 

〜 to be continued later 〜

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反省文。

っていうか、氷帝でてくるの早すぎだし。思いっきり愛が偏ってる証だ。。。
青学の次に好きなのがもちろん氷帝(笑)
しかも、なにげに主人公が氷帝生だったってことになってるし・・・いや、元からそういう設定だったんですが☆
でも、失敗したと思ったのは・・・呼び名(爆)樺地がヒロ君?!日吉がひよちゃん?!笑うしかないでしょ、まさに(死)
後半どうなるやら・・・むしろ、収拾はつくのでしょうか―――

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