| 見えない真実 捜し求めるのは 真実の裏側の微笑み 仮面の貴公子 鳳と日吉の心を、何故か射止めてしまった。 当の本人がそのことに気付くのは、まだまだ先のこと。 それより何よりも、には済ませなければならない重大な用事があったのだ。 広い氷帝の校舎内を、は迷う事無く足早に歩く。 見知らぬへの好奇の視線が無数に向くが、全てを無視して目的地への道を急いだ。 「遅れて申し訳ありません」 待ち合わせ場所である特別教室の扉を開け、開口一番に謝罪をする。 ピアノに向かっていた紳士(笑)が立ちあがる。 「久しぶりに帰ってきて早々、遅刻か。」 「申し訳ありません」 「まぁ、お前が遅刻するなど、何か理由があってのことだろうが・・・?」 「大した事ではありません。来る途中で少々トラブルがあっただけですので」 ニッコリと微笑んで、目の前の音楽教師に「お察し願います」と告げた。 「・・・良いだろう。それで、今度は本当に帰ってくるのか?」 妙な物言いをする榊太郎43歳。 それもそのはず。 実はこの、榊の知り合いの息子だったりする。 幼少の頃より、何かと面倒を見てきている榊にとって、は息子のようなものなのだ。 そのが、海外留学を途中で切り上げて日本に戻ってくることになり、氷帝学園に帰ってくるコトになっていた。 もちろん、事務処理などの細かいことは榊がしたのだが。。。 「えぇ。そのつもりです。もう転入届が受諾されましたから」 「・・・確か小学5年生くらいにも同じ事を言って、一度も学校に来ないままだったと思うが?」 思い出したように、榊は微かに苦笑する。 そうなのだ。 実は幼等部より何度も氷帝に在籍しているのだが、が実際に氷帝に通った期間は一年にも満たない。 「そう、でしたか?でも、今回は戻ってきますよ」 「なら良いのだけどな」 複雑そうに微笑むに、榊は深くは追求しない。 そしてさりげなく本題を提示した。 「では部活はどうする・・・?」 「あぁ、部活ですか?」 「昔からの約束だが・・・。別に入部せずとも良い」 もちろん、入部してくれたら嬉しいのだが、にとって良いのか。。。と考えると、無理強いはできない。 「そうですか。では、申し訳ないですけど入部はしません。実は、以前から帰ってきたら生徒会にはいるように言われておりまして」 「・・・にか?」 「はい。人員不足だとのことですが、優秀な人材なら氷帝には、掃いて捨てるほどいるはずなんですが」 そう言ってはニッコリと微笑む。 「にしてみれば、慣れていて使える人物が良いということだろうな」 生徒会長のは、とは家族ぐるみの付き合いで、ある意味で幼馴染みといえる。 それに、確かには生徒会長にふさわしいが、その他の役員がふさわしいかというと、実際はそうでもない。 今の生徒会は、一人で回しているといっても過言ではないのだ。 そしてが帰ってきた今、よりもと釣り合いの取れる優秀な人材は氷帝には存在しないだろう。 ・・・一人を抜かして(笑) 「確かに。慣れていても、跡部景吾は役に立ちませんからね」 キッパリと言いきったに、思わず榊は苦笑する。 優秀と名高い跡部を、こんなに簡単に批判できるのは、きっと氷帝広しと言えどくらいだろう。 「。から良からぬ噂だけを聞いている・・・わけではないな」 氷帝学園についての情報源は、何もだけではないことを榊は思い出した。 「えぇ。もちろんです。テニス部での勇姿については何度となく拝聴してます。それに、は跡部を悪く言ったりしませんよ」 「そうだな・・・は人を悪く言ったりできる人物ではないからな」 そう、ある意味問題がありすぎるほどに、は優しい性格なのだ。 「にだけ、面倒を押し付けるのも悪いですしね」 「分かった。では、テニス部入部の件は無かったこととしよう」 「すみません。そうして頂けると助かります」 申し訳なさそうに言うの肩を、榊は軽くポンっと叩いた。 「いや、構わん。たまに遊びにくるといい」 「そうですね。機会があれば、お邪魔させてもらうかもしれません」 「分かった。・・・それと、もう一つの件だが・・・」 そう榊が口を開いた瞬間、の表情が曇った。 「そちらも同じ理由ですとお伝え下さい」 「・・・伝えておこう」 「ありがとうございます。では、これで今日は失礼します。俺の転入日は明日ですから」 「そうだったな。気をつけて帰るように。行ってよし」 微笑んで榊にお辞儀をすると、は特別教室をあとにした。 「さて・・・とりあえず用事は済んだし、後は・・・」 この後の予定を思い出しながらが歩いていると、フイに背後から声が掛かった。 「俺様への挨拶がまだだろう?」 振りかえったの視界に映るのは、偉そうに腕組をした美形の男子生徒と、巨体の男子生徒。 もちろん、偉そうなのは跡部。巨体は樺地だ。 跡部はの前に立つと、極上の微笑みを浮かべた。 「久しぶりだな、。帰ってきてくれて嬉しいぜ」 「久しぶりなのは同感だが、俺はお前に逢わなければもっと嬉しかったぞ」 キッパリと無表情に、は跡部に言い放つ。 そう。 が編入前に氷帝学園内にいたくない理由はただ一つ。 跡部景吾に会いたくなかったのだ。 「あーん?」 一瞬にして不機嫌な表情になって、跡部はを睨みつける。 「正直に言って、1番逢いたくなかった」 跡部の不機嫌オーラに気付きつつも、あえては言いきった。 「なんでだよ?」 「自分の所業を思い出すんだな」 「あ?」 「顔をあわせるたび、テニス部への勧誘だからな・・・うるさいぐらいに」 微笑して告げるの言葉に、跡部の眉がピクリと上がる。 「俺はお前の為を思って言ってやってるんだぞ?だから、入部しろ」 「大きなお世話だ。まぁ、今回は既に榊監督に断りを入れてあるから、潔く諦めるんだな」 勝ち誇ったようにが告げると、跡部は驚いて目を見開いた。 「マジかよ;・・・今からでも遅くねぇ。監督に訂正してテニス部に入部しろ」 「ムリだ。既に俺は生徒会にはいることが決まっているからな」 「・・・め。先手打ちやがったな」 舌打ちしてぼやく跡部に、は極上の笑みで微笑み返してやる。 「残念だったな、跡部。これで諦めがついただろ」 「全然。上等だ、必ず入部させてやる」 負けずと額に青筋を立てながらも、微笑み返す跡部。 間違いなく2人の背後には、雷鳴が轟き嵐が吹き荒れ、虎と龍あたりが睨み合っていることだろう・・・ 「、俺と勝負しろ」 唐突に跡部が告げた。 「何故だ?」 「俺とテニスで勝負して、お前が負けたら入部しろ。お前が勝てば、今後一切勧誘はしない」 「保証は?」 「俺様の名にかけて」 キパリと言い放った跡部。 思わず笑いかけるのを、は必死に我慢した。 保証は?と問われて、自分の名前に賭けるなんてコトを言うのは、氷帝広しといえども跡部くらいだろう。 いや、世界中捜しても跡部くらいだろう(笑) 「ッ・・・ま、まぁ。そう、だな。今後一切勧誘されないのは、魅力的だ・・・」 「だろう?」 上機嫌に微笑む跡部は、の返事を待っている。 まぁ。。。ココで誘いに乗るのも一興か・・・ いつまでも勧誘されるのも、うざったいのも事実だ。 「・・・分かった。その勝負、受けて立とう」 「決まりだな!んじゃあ、明日の放課後テニスコートで。。。逃げるなよ?」 勝つ気でいる跡部は駄目押しの一言を置いて、樺地を伴い悠々と去っていった。 あとに残されたは、小さく溜め息をつく。 「・・・まったく。ヤツの自信過剰も困ったものだ」 自信があるのは良いことだとは思う。 そして、跡部にはそれに伴うだけの実力があるのも十分知っている。 ついでに、テニス部への勧誘も、何も跡部のワガママだけで言っているわけではないのも分かっている。 それでも――― 「明日は遠慮なく勝たせてもらうよ、跡部」 跡部が立ち去ったほうにそう微笑みながら呟いて、は今度こそ本当に帰る為に歩き出した。 明日は、きっと氷帝が嵐になることを、予感しながら――― 〜 to be continued later 〜 − next − |
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| □ 反省文 □ アハハ; とりあえず、次のお話しは対決?ってカンジですかねぇ。。。 |
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