無くした場所を探すより 在るべき場所を見つけたい…… Secret Garden 「???」 目が点になるとは、まさにこんなことだろうなぁ・・・ と、妙に感心してしまうのは、あまりな出来事に驚いているんだろう。 思わず自己分析までしてしまったのは、誰あろう青学男子テニス部マネージャー・。 竜崎に頼まれた仕事を終えて、氷帝から戻ってきたのだけれども――― 「今日、部活休み?」 目の前のテニスコートは静まり返り、誰もいない。 あれれ?今日は部活をいつも通りやってるからって先生言ってたよね?? 「じゃあ、急に中止になった・・・?ん?」 首を傾げたの視界に、ふと人影が映った。 しかも、見なれた姿形。 あれは、多分――― 「部長!!」 立ち止まり振りかえったのは、の予想通り。 「?」 怪訝そうに眉を顰めた手塚に気付かずに、はまず自分の疑問を口にした。 「あの、今日って部活お休みになったんですか?」 「・・・・・・早く終わっただけだ。気にしなくて良い」 「??」 何で早く終わったの? 声には出さなかったの言葉が、手塚にも簡単に読み取ることができた。 「竜崎先生のご都合で、今日は早めに終わったんだ」 そういうことにして欲しいと、先ほど竜崎に頼んで承諾を得ている。 もちろん、そういうことになっていると迎えに行った奴らには連絡も済んでいたのだが・・・ 無駄になったみたいだな。 「じゃあ、部長は。。。あ、自主練ですか?」 何をしていたと問いかけようとしたの目に、手塚の左手に握られたラケットが目に入った。 「あぁ・・・。そういえば、。竜崎先生に頼まれて、氷帝まで書類を届けに行っていると・・・・・・」 「はい、お渡ししてきました♪」 「ありがとう。しかし、今日は部活には顔を出せそうにないと聞いていたが?」 「お話しが早く終わったので、帰ってきちゃいました。少しぐらいなら、参加できるかと思いまして♪」 終わってたのは予想外でしたけど☆と苦笑するマネージャーに、手塚も苦笑を浮かべる。 手塚にしてみれば、が戻ってくることも予想外。 そして他のレギュラー陣が誰一人として、マネージャーに会っていないのも予想外なのだ。 「そうか」 「。。。あ、部長。そっちに行こうとしてたってことは、もうお帰りの予定ですか?」 手塚が歩いていた方向には部室がある。 「あぁ。そのつもりだが・・・」 手塚は自主練を終了させて帰ろうとしていたときに、ナイスタイミングでが帰ってきたのだ。 「ご一緒しても良いですか?」 すっかり手塚は忘れていたが、住んでいる場所が同じ方向だったのをフト思い出す。 「構わないが。。。着替えなくてはならないし、少し待たせるぞ?」 「全然構いません♪そこのベンチで待ってますから」 「そうか。なるだけ早く済ませる」 「ごゆっくりどうぞデス」 にこりと微笑むに見送られて、手塚は部室に向かって足早に歩いていった。 その背中を見送りながら、はコート脇に置いてあるベンチに腰掛ける。 静まり返ったコートを見ていると、の頭によぎるのは久しぶりに会った幼馴染み達。 (皆、元気そうだったなぁ・・・) たった1ヶ月位前までは、朝からずーっと一緒に居た。 本当に仲良しで、ずっと一緒なのは変わらないって思ってた。 今では、会うことなんて滅多にナイ。 しかも・・・事実上、氷帝の人達と私はライバル関係なわけで。 ちょっと寂しいカナ――― 「どうしました?」 フイに掛けられた言葉に、はゆっくりと視線を動かす。 「それ、私のセリフだよ・・・どうしたの?」 「ちょっと通りかかっただけ、ですよ」 「ウソばっかり」 フフっと笑うの隣に、高等部の制服を身に纏った大和祐大が静かに腰を下ろす。 「今日は練習はないんですか?」 「ううん。竜崎先生のご用で早く終わったんだって、部長が言ってた」 「おや・・・は参加していなかったんですか?」 「うん。今日は竜崎先生のお使いで氷帝に行ってたの」 の言葉に、大和は「なるほど」と頷いた。 「それでは寂しそうにしているわけですか・・・跡部君たちはお元気でしたか?」 「元気だったよ♪相変わらず皆一緒だった」 そう。。。いつも通り一緒だった。 視線をコートに向けて、は静かに微笑む。 その微笑を横目に見ながら、大和はあえて問い掛けた。 「も、その場所に一緒に居たかったんじゃないですか?」 あんなにも長い時間を、共有していた仲間。 その仲間から、誰が離れることを望むだろうか? 唐突に、心の準備をする間もなく――― しかもが失ったのは、それだけではないのだから。 もしも僕がと同じ立場であれば、耐えられ自信はありません。 無論、耐えられないからと言って、どうにかなるわけではないのですが。 「裕にぃ・・・イジワルだよ」 は本当に困ったように微笑もうとする。 その表情は、大和には泣き顔にしか見えなかった。 「いいの、もういいんだよ。私が氷帝を辞めるのが一番良かったんだよ・・・」 「跡部君たちにとっても?」 「それは・・・」 俯いてはギュッとスカートの裾を握り締める。 分かってる。 景吾君たちは最後まで反対だった。 皆、一緒が良いって・・・一緒じゃなきゃダメだって。 だけど――― 「仕方ない・・・よ」 そう呟いたの頬に、一筋の涙が零れ落ちる。 「だって私は子どもで、何の力も無くて・・・どうすることもできなくて・・・・・・だから仕方ないよ。 私だって離れたく無かったよ?一緒に居たかったけど、ムリだったんだもん・・・・・・」 氷帝を辞めてから、初めてが口にした諦めの言葉。 すべてを1人で背負い込もうとする年下の従姉妹が、やっと大和に言えた本音。 そして、それが大和の一番知りたかった心だった。 の頭を優しく撫でながら、大和がずっと伝えたかった言葉を口にする。 「諦めることはありません。が望めば、また新しい素敵な仲間ができますよ・・・そうですよね?手塚君」 大和に呼びかけられて、手塚はバツが悪そうに少し離れた木陰から姿を現して2人に歩み寄った。 「部長・・・」 突然の手塚の出現に、は慌てて涙を拭う。 「気付いていらっしゃったんですね、大和先輩」 「えぇ。ちょうど手塚君が歩いてくるのが見えたもので」 悪戯っぽく手塚に向かって微笑むと、大和はに優しい口調で語りかけた。 「僕が託したテニス部をここまで引っ張ってきた手塚君がいる青学にも、もちろん素敵な人達がいますよ。 保証します。だから・・・ゆっくりでもいいですから―――創めてみましょう」 貴女の新しい居場所を探すために、僕はどんなことでもしてみせますよ。 そして、その場所を見つけた時は必ず護ってあげましょう。 「・・・うん」 大和の言葉に、はゆっくりと頷いた。 と、その時――― 「ちゃん、はっけーんッ!!」 そう大声が聞こえたかと思うと、正門のあるほうからゾロゾロと集団がもの凄い勢いで走り寄ってくる。 「あれ?」 思わずは首を傾げた。 その隣で手塚は小さくため息をつく。 2人だけの下校が泡と消えただけならまだしも、竜崎に協力してもらったウソまで水の泡となってしまった。 「おやおや、何やら賑やかな集団ですねぇ。見覚えのある顔がチラホラとありますが・・・」 「だって男子テニス部のレギュラーだもん」 そう大和に告げるの顔には微笑みが浮かんでいる。 の隣に立つ大和に気付いてか、集団は勢いを落としながらの前に集合した(笑) 「大和先輩、お久しぶりです」 「久しぶりですね、不二君。お元気でしたか?」 まっさきに大和に挨拶をしたのは不二。 しかも、全開の天使スマイルでだ。 不二に続いて、3年のレギュラー達が次々と挨拶をしていく。 越前・桃城・海堂も、分からないながらも先輩に倣いペコリとお辞儀をする。 そんな大和達の様子を、はクスクス笑いながら眺めていた。 「ねぇねぇ、ちゃん!氷帝行ってきてくれたんでしょ?何もされなかった?」 いち早く大和との話しを切り上げて、菊丸がヒョイっとの隣に立つ。 「??何もされてませんよ?どうしてですか?」 菊丸の発言の意味がわからず、は首を傾げる。 「んー。何も無いならいいんだにゃ〜。お使い、おつかれサンバ♪」 「ありがとうございます。それより、今日は練習早く終わったのに、皆さんどうしてご一緒なんですか?」 しかも制服姿で。 「あ〜・・・うわっ!」 「それは手塚を迎えに来たんだよ」 言葉につまった菊丸を突き飛ばして、ニッコリと微笑ながら答えたのはもちろん不二。 「部長を??」 「そう。折角部活が早く終わったからさ、皆でボーリングにでも行こうかって話しになってね? でも肝心の部長が不参加ってわけにはいかないでしょ」 さすが天才・不二周助。 あたかも本当のように話しているが、当然コレはウソ。 単なる思い付きだったりするのだけれども、それが本当っぽいから恐ろしい(笑) 「ねぇ、先輩も行かない?ボーリング」 越前はここぞとばかりに、の隣に並んで勧誘作戦を開始する。 「え?一緒に行っても良いの?」 キョトンと小さく首を傾げるに、不二がニッコリと天使の微笑みで頷く。 「もちろんだよ。むしろ、一緒に来て欲しかったんだ」 「・・・嬉しいですvじゃあ、お言葉に甘えてご一緒させて頂いてもいいですか?」 微笑んで問い掛けるに全員が笑顔で答える。 「もちろん!!」(あまりの大声のためカッコ略/笑) 一方、大和は興味深そうにじっとをとりかこむ集団を観察していた。 「大和先輩、さっきの話しなんですが・・・・・・」 横に立って同じく集団を眺めている手塚の言葉に、大和は視線を動かさずに応える。 「手塚君の心だけに留めておいて下さい。僕は君には知っておいてもらったほうが良いと思った。 だから話しました。けれど、本来ならが自分で話す相手を、話す内容を選ぶべきことですから・・・」 「フライングは君だけですよ」と告げる大和に、手塚は「分かりました」と頷いた。 「しかし、どうして俺に?」 素朴な疑問だが、どうしても手塚は聞いておきたかった。 「そうですねぇ・・・多分、君が青学の柱だからですよ」 君なら、いざという時にを助けてくれる。 そんな気がするのは、やはり一度大事なものを託しているからでしょうね。 そして託した大事なものを手塚君は護りぬいてくれている。 だから、僕が託すを護ってくれる・・・そんな気がします。 「・・・そうですか」 言外の大和の期待を、手塚は十二分に理解できた。 無論、言われるまでも無い。 テニス部を託されたのは自分。 そして、護ると決めたのも自分なのだから・・・ 俺は俺自身の意思で、を護りたいと思います。 「手塚君。に―――――で下さい。では、失礼しますよ」 唐突な言葉の意味を考えようと手塚の思考が一瞬止まった隙を狙ったかのように、 大和は正門に向かって歩き出す。 「大和先輩!今のはどう言う意味でしょうかッ!!」 慌てて呼びとめた手塚の言葉に大和は振り返らず、軽く手を振ってそのまま帰っていった。 「どういう…意味なんだ?」 君のあるべき場所を 僕が探してあげるから だからいつまでも、君は君のままで――― 〜Fin〜 |
反省文。
はいはい、ようやく終了しました。
え?書き終わったのは・・・一年とか前ですけど何か!(コラ)
単に忙しい通り越して、やる気のなさがアピールされてましたサイトに;;
でも、何でか今回は主人公の過去が若干見えてきた感じですね。
それでも、まだまだヒミツ持ちの彼女・・・さぁ、氷帝では何があったんでしょうねぇ?
またしばらくしたら、きっと少しずつ判ってきますので、乞うご期待を☆
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